最近いろんな会社を手伝っていて感じるのですが、もっとも当たり前で確実なベンチャーの成功方法は、全ての分野でバランスよく戦略を練ることだと思います。専門家ほどでないにしろ経営者が全ての分野に対して基本知識程度は持っていることが理想的ですね。

全ての分野というのは、つまり大枠のキーワードでいえば「商品」「集客」「営業」「業務」「収支」「採用」「組織」てな感じでしょうか。

このうち、多くの会社が苦労するのは「集客」なわけですが、よくよくヒアリングしてみるとどうも問題がそこだけではないケースがほとんどです。なので表面的に「集客」だけなんとかしようと支援しても失敗します。思い返せば、当社で過去にうまくいかなかった案件も、ほとんどはそれに当てはまります。

たとえば、「商品」そのものに競走力がなかったり、あるいは、「収支」がまずくて、十分な広告費を捻出できなかったり、無駄な固定費が多かったり、「営業」が駄目駄目で、成約に結びつかなかったり。。。

そして、うまくそれらの壁をのりこえて売上が上がりはじめても、次には「業務」や「採用」「組織」の問題がでてきます。

「業務」のフローがぐちゃぐちゃなので、効率が悪くて利益がほとんどでないとか、「採用」をうまくやれないので体制構築できないとか、「組織」がうまく作れないので、モチベーションがどんどんさがって離職率が高いとか。

で、ここからが重要な話なんですが、実は神技レベルの「集客」を実現するよりも、これら全ての分野をそこそこしっかりやる方が、はるかに成功しやすいというのが私の見解です。

当たり前のようですが、この当たり前ができていない経営者が本当に多い。集客や売上だけしかみていない経営者がとても多いです。ある1つの分野で飛びぬけているよりも、全ての分野で10点中3,4点取る方が遥かに難易度が低いのに・・・。

そこそこうまい集客と、そこそこの営業ノウハウ、そこそこしっかりした業務設計と、そこそこちゃんと先を見据えた収支計画と、そこそこちゃんとした採用基準と、そこそこ考えた組織体制。

「勝つべくして勝つ」ことが求められる経営者は、画期的なマーケティング手法に飛びつく前に、まずは上記のような「全部そこそこ」をしっかり目指しましょうね。

ちなみに「商売や経営はバクチだ。」と考えておられる方は、そもそも論外です。(昔の私はそうでした。(汗))


●見た目だけ成功してる風の駄目経営者例

「いやー今月は売上1000万突破しましたわ〜」

「すごいですね、利益はどれぐらい?」

「それが、まだ拡大中なんで赤字です。でもこれでいいんです。今は攻める時期ですから」

「そうですか。いつぐらいに黒字化予定なんですか?」

「そんなん、やってみないとわかりませんわ。」

「・・・・・(汗)。3ヵ月後のキャッシュ予測ってわかります?」

「は? んなもんわかりませんよ。なるようにしかならないっすわ。」

ちゃんちゃん。

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