本気で会社を成功させようとおもったら、どうすべきか? それは、戦う前に戦を終わらせておくことだ。

一か八かの勝負というのは、見た目にはかっこいいし、いかにも起業家という考え方だが、これはあくまでかけだしの起業家ならではであって、真の経営者がおいそれと口にする言葉ではない。

なぜなら、従業員やクライアントの事を考えれば、その責任の重さからおのずと「絶対に負けない勝負」を選択するのが経営者であり、頻繁に一か八かのバクチを打つという者は、器の程度がしれる。ゴーイングコンサーンは経営者にとって基本中の基本だ。

では、積極的な挑戦を控えるべきかというとそういう訳では無い。挑戦せず進化しない企業に未来がないのは明白だ。

正しくは、「挑戦しながらもバクチではない勝負を挑む」ということだろう。つまり、戦略を考え抜くということである。

この戦略には、2つある。「勝つ戦略」と「絶対負けない戦略」だ。

前者はそれなりの経営者でも考えているが、後者ができている経営者は少ない。しかし本来最も大事なのは、実は「絶対負けない戦略」なのである。

この「絶対負けない戦略」とは、つまり新規事業立ち上げなどの新たな勝負が仮に負けても会社が潰れないよう計算しつくしておくというものだ。これさえしっかり戦略を立てていれば、いつか必ず勝つことができる。

あくなき挑戦心や勇ましさを免罪符にして、何度失敗してもこの「絶対負けない戦略」を練る努力を怠る経営者がいるが、私はそんな経営者に経営者たる資格はないと考えている。

子(社員)を意味なく危機に陥れる親(社長)は、真の親(社長)ではない。


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